2017年04月29日21時00分16秒に更新されたバージョンを表示しています.
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cLay概要(version 20170429-1)

概要

C++っぽい言語をC++言語に変換します.
無駄にライブラリを張るのがめんどくさい,鬱陶しい,ライブラリを整備していても綺麗に書けない処理があるなどを解消したいというのが目的.目的の達成はそのうち….
blogにコード載せる時にライブラリとかincludeとかが長ったらしい,のをなんとかしたいというのも動機の1つです.

#include<bits/stdc++.h>およびgetchar_unlocked,putchar_unlockedなどを使用しているので,それが動かない環境だと動かないし,動かないコードが出てきます.
(その場合は,フラグの欄を見て下さい)

コードはこちら(最新版はこちら).C++っぽいコードを標準入力から食わせるとC++のコードが標準出力から出てきます.

未対応なもの

重要度が高い順に,下線付き太字太字,普通です.重要度が低いものはそもそも対応させる気がないものが多いです.
この欄ではC++ではできるけど…というもの主にリストアップ.

制限

以下の単語は変数名などで使うとやばい.
基本的にバージョンアップするときは互換性を保ちたいけど,此処の欄は普通に増やす.

chmax, chmin,
ll, ull, mint, segtree,
rd, reader,
wt, wtLn, wtSp, wt_L, writer, writerLn, writerSp,
min, max, argmin, argmax, argminL, argmaxL,
int_inf, ll_inf, double_inf

色々

最初に

#include<bits/stdc++.h>
using namespace std;

が強制的に挿入されます.
#includeを書く必要はないですが,GCC以外で動かなくなる.

int main()は省略可能です.
いきなり関数の中じゃなくて{で始まるブロックが最初に出てきたときにint main()が補われます.
int main()で補われたブロック内の最後がreturn文でない場合は,return 0;が最後に補われます.

フラグ

途中で(プログラムの先頭が推奨)
//hogehoge
という形式でフラグを立てておくと色々な環境に対応させるために出力されるコードが変更されます.

llはlong longに,ullはunsigned long longに置き換えられます.

mint型が使えます.
mod MDで計算します(MDは#define MD hogeで定義しなければデフォルトでは10^9+7が使用されます.MDは素数でなければ上手く動かない可能性があります.定数の項も参照のこと).
四則演算(割り算も)は使えます.int型やll型などと計算すると結果はmint型になります.
mint型の法の設定などはmain関数の変数宣言後に行うので,変数制限時に代入などすると上手く動かないので,変数制限時に代入するのは避けたほうが良いです.
mint x; x = 1; x /= 2; wt(x); で 500000004 が表示されます.
また,べき乗 pw が使えます.
mint x, p; x = 2; p = x.pw(100); で p に $2^{100} \bmod (10^9+7)$ が代入されます.
mintの詳しい仕様はそのうち書きます.

入出力

rd(i, j, k)で標準入力からi,j,kが読み込まれます.scanf("%d%d%d",&i,&j,&k);などと似た感じですが,スペース区切りじゃなく,数字以外で区切られます.
rd(i, j(n), k)はrd(i, j[0], j[1], ..., j[n-1], k)に置き換わります(左から処理するのでrd(n, A(n))とか可能です).
また,rd(N, (A,B)(N)) は rd(N, A[0], B[0], A[1], B[1], ..., A[N-1], B[N-1]) に置き換わります.グラフのエッジの入力とかに.
rdの代わりにreaderでもOK.
rdは今のところint型,ll型,double型,mint型,char型の配列(文字列)にのみに対応.他の型もそのうち対応

wt(i, j, k)でスペース区切りでi, j, kを標準出力に吐き出し,改行します.
wt(i, j(n), k)はwt(i, j[0], j[1], ..., j[n-1], k)に置き換わります.
また,wt(N, (A,B)(N)) は wt(N, A[0], B[0], A[1], B[1], ..., A[N-1], B[N-1]) に置き換わります.式の一部がこの形でも同様に置き換わります(以下の例を参照).
最後に改行する代わりにスペースを出力する場合はwtの代わりにwtSpを,改行区切りで出力する場合はwtLnを使います.また区切りに何も出力しない場合はwtNを使います.
wtの代わりにwriter,wtSpの代わりにwriterSp,wtLnの代わりにwriterLnでもOK.
wtは今のところint型,ll型,double型,mint型,char型の配列(文字列)のみに対応.他の型もそのうち対応
wtFは文字列を出力しますが,変数名を{}で囲むと,その変数の値に置換されて出力されます.文字列中で{または}を出力したい場合はエスケープして\{または\}と書きます.

また,出力に関してオプションで B=n と指定すると整数系のものは n 進数で出力されます.
例えば,wt[B=3]("hello", 10); は hello 101 と出力されます(文字列に関しては基数は無視されます).
62進数まで指定可能で,文字は 01...9ABC...Zabc...z の順番です.

例:

int N, A[10], B[10], res[10];
rd(N, (A,B)(N));
wt(N, 2*res(N)+1);

は以下と同じ意味になります.

int i, N, A[10], B[10], res[10];
scanf("%d", &N);
for(i=0;i<N;i++) scanf("%d%d", A+i, B+i);
printf("%d ", N);
for(i=0;i<N;i++) printf("%d%c", 2*res[i]+1, i==N-1?'\n':' ');

また

int T = 0, res = 10;
wtF("\{Case {++T}: {res}\}\n");

は以下と同じ意味になります.

int T = 0, res = 10;
printf("{Case %d: %d}\n", ++T, res);

ループ

rep(i,n)およびREP(i,n)はfor(i=0;i<n;i++)に置き換えられます.
rep(i,a,b)およびREP(i,a,b)はfor(i=a;i<b;i++)に置き換えられます.

また,括弧内((),[],{}のどれか)で2つ以上のドットで区切ると範囲を指定でき,勝手にループに展開されます.
ドットの数が等しいものが同じ変数だと思われて,同じドットの数のものは2回目以降に登場したときには区間の終わりは省略可能です.
(ドットの数が多いほうが内側のループになります.2次元配列のアクセス順で速度がかなり変わるので気をつけたほうが良い場合があります)
例えば,単位行列を作るコード,行列のコピーのコード,転置しながらコピーするコードは

int A[10][10], B[10][10], C[10][10];
A[0..9][0...9] = 0;
A[0..9][0..9] = 1;
B[0..9][0...9] = A[0..9][0...9];
C[0..9][0...9] = A[0...9][0..9];

のように書け,これは

int i, j, A[10][10], B[10][10];
for(i=0;i<=9;i++) for(j=0;j<=9;j++) A[i][j] = 0;
for(i=0;i<=9;i++) A[i][i] = 1;
for(i=0;i<=9;i++) for(j=0;j<=9;j++) B[i][j] = A[i][j];
for(i=0;i<=9;i++) for(j=0;j<=9;j++) C[i][j] = A[j][i];

と同値です(B[0..9][0...9] = A[0..9][0...9];はB[0..9][0...9] = A[0..][0...];と書くこともできます).

括弧で囲まれていなければならないことに注意して下さい.

A[0..9] = (0..9)
B[0..9] = 50 - (23..)


for(i=0;i<=9;i++) A[i] = i;
for(i=0;i<=9;i++) B[i] = 50 - (23 + i);

と同値ですが, A[0..9] = 0..9; などとは書けません.

文字列の中に2個以上ドットが並ぶとバグる実装なのでそのうちなんとかする.

演算子

昔のGCC拡張で存在した<?および>?演算子の同時に代入するバージョンのみ使えます.
つまり,a <?= b; は a = min(a, b); と,a >?= b; は a = max(a, b); と大体同じです.
代入しないバージョンは素直にminおよびmaxを使え.

正の整数に関する繰り上げの割り算演算子 /+ が使えます.
13 /+ 3 は 5 となります.
実際には a /+ b は (a+b-1) /+ b で定義され,正の整数でないと繰り上げ割り算になる保証はありません.
また,a+b-1 がオーバーフローする可能性があるので要注意です.

べき乗演算子 ** が使えます.
2 ** 3 は $2^3 = 8$ を表します.
点 (x1, y1) と (x2, y2) とのユークリッド距離は sqrt( (x1-x2)**2 + (y1-y2)**2 ) と簡潔に書けるようになります.
バイナリ法などは使っておらず,愚直にやります.その為,1.0001**1d9 などは酷く時間がかかるので止めて下さい.

定数

int_inf は 1073709056 ($2^{30}-2^{15}$) に,
ll_inf は 4611686016279904256LL ($2^{62}-2^{31}$) に,
double_inf は 1e150 に置換されます.

int_infおよびll_infはそれぞれ2倍してちょっとした数を足してもint型,long long型でオーバーフローしないという値に設定しています.
また,double_infは2乗してもオーバーフローしないという値に設定しています.

また,MDは1000000007($10^9+7$)に,PIは3.14159265358979323846(円周率)に置換されます(厳密には最初に#define MD 1000000007などが追加されます).
MDとPIはコード中で#define MD 1000000009などと言う記述が出てきたら置換されずそちらが優先されます.

また,double型の定数の書き方 1e-5 などと同様に,整数型の定数を 1d5 などと書けます.
$x$d$y$ で $\lfloor x \times 10^y \rfloor$ を表します.
$2^{31}$ 未満であれば int 型,$2^{31}$ 以上であれば ll 型,$2^{63}$ 以上であれば ull 型の定数になり,それ以上の値だと上手く動きません.

セグメントツリー

(1次元の)セグメントツリーが使えます.
segtree t; などで定義します.この場合は各要素や和などを求める時に全てint型で計算されます.
1回のみ使用する場合は,配列の長さを N として t.malloc(N, 1); とすると,配列の要素が全て 0 で初期化され,セグメントツリーが使えるようになります.
何回も使いまわす可能性がある場合は,配列の長さの最大値を maxN として,t.malloc(maxN); でメモリを確保します.
その後,配列の長さが N の場合にセグメントツリーを使えるようにするためには,t.setN(N); で使えるようになります.

0以外で初期化したい場合は,t.setN(N,0,0);(各要素は全く初期化されない),または,t.setN(N,1,0); (各要素は一応0で初期化される)としておき,
t[hoge] = 要素hogeの初期値;
と適当に初期化した後,t.build();とすれば使えるようになります.

使える感じの関数は以下の通り(要素数を $N$ とします):

区間は最初は含むが最後は含まない [a,b) の形で指定することに注意して下さい.

メモリの開放は t.free(); です.

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Last modified: 2017年04月29日21時00分16秒 (by laycrs)
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